エンタメ&カルチャー

小沢健二が音楽活動を再開

オザケン

Kenji Ozawa returns to music

小沢健二が音楽活動を再開

In February, singer/songwriter Kenji Ozawa released a single for the first time in two decades.

2月、シンガーソングライターの小沢健二が約20年ぶりにシングルCDをリリースした。

The song “Ryudotai Ni Tsuite” debuted at number two on the Oricon singles chart.

この曲『流動体について』はオリコン週間シングルランキングで初登場2位を獲得している。

In the 90s, Ozawa helped start the Shibuya-kei trend as a solo artist and member of Flipper’s Guitar.

90年代、小沢健二はフリッパーズギターのメンバー、ソロシンガーとして活躍して「渋谷系」と呼ばれるムーブメントを起こした。

約20年ぶりのCD発売

オザケンこと小沢健二が19年ぶりに緊急発売したシングル『流動体について』が3月6日付オリコン週間シングルランキングで2位にランクインしました。

これは自己最高位の『カローラⅡにのって』(1995年発売)と並ぶ記録です。

シングル発売の前日2月21日には朝日新聞の一面に「言葉は都市を変えてゆく」と題された本人デザインによる緊急告知が掲載されました。

この広告はエッセイのような読み物となっており、たくさんの読者が驚きと興奮とともにツイッターに投稿しています。

この個性的な広告を受けて、活動再開を待望していたファンからの喜びの声のみならず、「この人の曲を聴いてみたくなった」といったコメントも投稿され、小沢健二を知らない世代にもその名が広まっています。

リリース発表とともにオフィシャルサイトはアクセス集中によりサーバーがダウン、発売と同時にCDが売り切れとなる店舗も見られ注目の高さが伺えます。『ミュージックステーション』への復帰生出演や『ZERO』での対談も大きな話題となりました。

「オザケンらしい文章」と言われる新聞広告のPDFファイルが公式サイトに掲載されています。この新聞広告原本がネットオークションで売りに出されているのも見かけました。

言葉は都市を変えてゆく(pdfファイル)

小沢健二の魅力とは

ドイツ文学者の父と心理学者の母をもち、親族にはそうそうたる顔ぶれが並びます。

StudyNowでも取り上げたことがありますが、ケネディーセンター名誉賞を日本人で初めて受賞した世界的指揮者の小澤征爾(せいじ)をはじめ、俳優の小澤幹雄、小澤征悦(ゆきよし)、作家の小澤征良(せいら)などです。

東京大学出身の知的なシンガーソングライターで、曲がポップでとにかく明るいのが特徴です。メディアでの軽やかな振る舞いやファッションが支持され、その音楽的特徴と整った外見から「渋谷系の王子様」とも呼ばれていました。

1994年にリリースしたシングル『今夜はブギー・バック』はヒップホップグループのスチャダラパーとの共演で、50万枚を超える大ヒットとなりました。

名盤と言われるセカンドアルバム『Life』には、スズキの軽自動車「ラパン」のCMで使用されている『ラブリー』やミュージックステーションで新曲とともに歌った『ぼくらが旅に出る理由』などが収録されています。

『ラブリー』の軽快な音楽は聴き覚えがあるのではないでしょうか。女性シンガーソングライターのMichelle143がカバーしています。

人気絶頂の中1998年に日本での音楽活動を休止し、ニューヨークを中心に生活の拠点を海外に移しました。アメリカ人女性と結婚し二人の子どもに恵まれています。

数年前から徐々に活動を再開し、2014年には16年ぶりにテレビに出演した『笑っていいとも!』で、海外生活について語るとともにギターでの弾き語りも披露しました。翌日のゲストに安倍晋三首相が繋がったことも驚きでした。

一方、南米やアフリカ、アジアなど発展途上国での生活体験をもとにエッセイや小説などの執筆活動も行なっています。

今回の新聞広告の文章では、「ドラえもんのアンキパン」やアメリカのお祭りメイポールにみる「ショッカーの陣形」といった親しみやすい内容から流れ、歴史の連続性まで問うています。

海外で暮らすからこそ感じる日本の良さについても書かれていました。

最後に、彼の曲は歌詞が文学的で深みがあり長いことでも有名です。新曲の歌詞も言葉は難しくありませんが詩的で想像の幅が広く、メロディーも複雑です。彼自身テレビ番組で歌い終わったあと「難しい歌」と言っているほどです。

彼の魅力を歌詞の観点から詳しく読み解いた記事がありました。タモリも絶賛する小沢健二の歌詞についての考察を味わってください。

今だからこそ聴きたいオザケンこと小沢健二の魅力 歌詞から見る(RIPY)

ハーフとダブル

公式サイトに彼の子ども達がいわゆる「ハーフ」であることから「ハーフ」という言葉に引っかかりを感じている話が書かれていました。『ZERO』での対談でもこのことに触れていたらしいのでよほど気になっているのでしょう。

「ハーフ」というのは不思議な言葉とした上で、「人種」という概念について触れ、体の特徴で人を区別することに疑問を投げかけています。「ハーフじゃなくてダブルだよね」なんていうオザケン流ジョークも述べています。

とはいえそれは「あくまでも冗談で、要するに人はみんな、エブリ「ワン」で、違いはないんじゃないでしょうか。誰も半分でも、2倍でもなくて。(原文のまま)」と語っています。

ちなみに、「ハーフ」は日本では誰もが知る言葉ですが、海外ではそのまま He is half. では通用しません。復習サイトで詳しく解説していますので、ご参照ください。

外国人のhalf(ハーフ)について(復習用サイト)

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