Kyoto facing accommodation shortage for visitors
観光客の宿泊施設不足に直面する京都
The popular tourist destination of Kyoto is reporting that it is facing an acute shortage of accommodation for visitors.
観光客に人気の行き先である京都が観光客のための深刻な宿泊施設不足に直面していると報告している。
Major hotels in the city have annual occupancy rates of 90 percent, while Japanese inns have rates around 70 percent, more than double the national average.
都市の主なホテルは年間稼働率が90パーセントで、同時に日本旅館は約70パーセントだ。これは全国平均の2倍以上にもなる。
The problem is due to the steep rise in foreign tourism in recent years, while the development of new lodging has lagged behind.
この問題はここ数年の外国人観光客の急激な増加によるものだが、新しい宿泊施設の開発では遅れをとっている。
京都の深刻な宿不足
京都は海外からのみならず国内からもたくさんの観光客が訪れることで有名ですが、宿泊施設の不足が深刻な問題となっています。
急速に増える海外観光客に対応するために、宿泊施設を増やすことが急務となっていますが追いつかない状態です。
市内の主要ホテルの稼働率は約9割に達し、ほぼ1年を通じて「満室」に近い状況となっており、京都に泊まりたくても泊まれない不満が日本人観光客から出始めました。
京都に行こうと思ってホテルをみているのですが、
ビジネスホテルは全滅状態
お値段の高いホテルばかり残っています。
インバウンドもいいですが、日本人が泊まりたいときに泊まれないというのは困ります。#京都#ホテル#ホテル不足 pic.twitter.com/uq6JhEcQyz— Abbey_旅にいきたい!! (@Abbey_Only) 2017年1月14日
一般的に外国人宿泊客の予約時期が日本人宿泊客より早い傾向にあるため、日本人の予約が困難になり、国内観光客だけでなく国際会議などの参加者の宿泊先確保にも影響を及ぼしていると市は分析しています。
京都観光総合調査によると2015年の宿泊客数は1362万人で、うち316万人は外国人、これは前年の外国人宿泊客数の183万人から73%増の伸び率を記録。日本人・外国人ともに約9割が満足していて再来訪したいと答えており、リピーターの多さも宿泊施設不足に拍車をかけました。
市は東京オリンピック開催の2020年には外国人宿泊客が440万人以上に達すると見込んでおり、市内での新しいホテルの建設が次々と計画されています。
大手ホテル業界から地元企業まで、古い建物の改築・販売にも乗り出しアジアや欧米を含む顧客獲得という新しい市場も活気づいています。
また、観光庁の資料によると2020年には4000万人、2030年には6000万人の訪日外国人旅行者数を目指し、消費額についてはそれぞれ8兆円、15兆円が見込まれるとのことです。
2015年にみずほ総研が2020年に宿泊施設が不足する10都道府県を発表しており、東京都をトップに、大阪、京都、千葉、福岡、大分、兵庫、神奈川、奈良、広島と続きました。
京都をふくめ、東京・大阪などは「ゴールデンルート」と呼ばれる人気の観光ルートに入っており、外国人観光客が同じ地域に集中する状況を後押ししています。
一方、大都市から溢れでる観光客に向けて農業体験や島でのホームステイといったツアーを提供する動きもあり、主要都市以外の都道府県を活性化させる好機になる側面もあるようです。
増える民泊
近年、インターネット仲介業者を介してマンションや自宅の一部を旅行者に貸す「民泊」が急増しており、リスクや責任の所在の曖昧さなどさまざまな問題が表面化してきています。
そもそも京町家を利用した宿泊サービスは、町家の保存と有効活用を図る観点から適切な管理運営を担保したうえで推進されてきたものですが、宿泊施設確保のふくらむ需要におされる形で「民泊」業が一気に拡大しました。
しかし、無許可の「民泊」が多く存在することも京都市の昨年の実態調査で明らかになっています。
調査対象となった民泊仲介サイト8社では旅館業法の許可を得ていた施設がたった7%であることが判明し、そのうちの一社「Airbnb(エアビーアンドビー)」に無許可民泊の掲載をサイトから削除するように市長が要請しました。
ゴミ問題や騒音トラブル以外にも、管理者がおらず緊急連絡先がわからない宿泊所を不安に思う周辺住民が反対運動を起こすケースも出てきています。
一方、観光客にとっても質の高い京都観光を期待できない可能性もあり、そうしたことから京都全体のイメージが損なわれ、健全な宿泊観光の発展やまちづくりが阻害されることも市は懸念しています。
先日、京都市在住の友人が「どうやら近くに民泊があるらしい。地図を片手にスーツケースを引きうろうろしている外国人観光客を見かける」と話していました。
また、自宅マンションでは「民泊」を禁止するルールを管理規約に盛り込むことが決まったとも言っていました。
増える民泊でのトラブルを事前に避けるため、マンションという小さな集合体でも対策が急務となっているようです。
京都は観光名所だらけ
京都の中心街、四条河原町あたりを朝少し早い時間に歩くと、通りには外国人観光客ばかりで日本人の姿をほとんど見かけませんでした。
特に行楽シーズンの秋など、四条界隈はもちろんですが嵐山や嵯峨野、鞍馬や比叡山にも観光客が押し寄せています。電車の混雑は相当なもので、地元の人は何本も乗るのを諦めることも珍しくありません。ビジネスで宿を取りたくても取れずに困っている人も実際に見聞きします。
こういった観光客の多さは今に始まったことではありませんが、トリップアドバイザーによる『外国人に人気の日本の観光スポット2016』ランキングのトップ10に京都の観光名所が3つもランクインしていることも国内外からさらなる観光客を呼び込む原因になっています。10位以下もいくつか記載します。
1位 ◎伏見稲荷大社
2位 広島平和記念資料館
3位 宮島 (厳島)
4位 東大寺
5位 ◎サムライ剣舞シアター
6位 新宿御苑
7位 奈良公園
8位 ◎鹿苑寺(金閣寺)
9位 アキバフクロウ
10位 ◎清水寺
13位 ◎禅林寺 永観堂
14位 ◎三十三間堂
伏見稲荷大社は3年連続トップで絶大なる人気を誇っており、神社に向かう電車は外国人観光客のみならず日本国内からの参拝者でいつもいっぱいです。
無数にならぶ朱色の鳥居が参拝路をうめつくし、リピーターが多いのも納得の美しさです。
金閣寺や清水の舞台で有名な清水寺(メイン写真)は、説明の必要がないほど知れ渡っているお寺ですね。
三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)は1000体もの観音立像が整然とならぶ姿が圧巻で、清水寺から一駅となりに位置します。
また、南禅寺のすぐ近くにある永観堂は境内に3000本もの紅葉が並び、京都でも屈指の紅葉の名所で夜間のライトアップはとても幻想的です。
いくつかの有名どころの寺院をおしのけて上位にランクインした「サムライ剣舞シアター」について調べてみました。
三条駅近くにあり、剣舞の鑑賞・サムライ体験などが可能です。インストラクターは英語で対応しており海外からのお客様でもスムーズに侍体験ができます。
海外の方が日本の特徴として真っ先にあげるのは「サムライと芸者」が多いので、人気があるのもうなずけます。
サムライ剣舞シアター(公式サイト)
他にもちょっと面白い場所をご紹介します。
地下鉄四条駅近くの伊賀流忍者道場「忍道具屋」では、本物の手裏剣投げや吹き矢などを体験でき、英語で忍者の歴史も学べ忍者ファンにはたまらないスポットです。お手頃価格で体験可能なので観光ついでに立ち寄ってみてもいいかもしれませんね。
NINJA DOJO and STORE(公式サイト)
また、祇園にある「ギオンコーナー」では、約50分間で日本の7つの伝統芸能「舞妓さんによる京舞・茶道・華道・箏曲・雅楽・狂言・文楽」が一気に鑑賞でき、海外の方にも大変喜ばれる便利な仕組みです。夕方のみの公演で、費用は大人3150円となっています。
ギオンコーナー(公式サイト)